この取組は、和歌山県御坊市に住む元教師の認知症の男性との話から始まりました。
男性は、若い頃から本格的な音楽活動を続け、最近まで地域のオーケストラの指揮者として活躍をしていました。男性が利用している介護サービス事業所では、ハーモニカを演奏することが大好きな男性と一緒にいろいろな曲を合奏していました。
しかし、コロナ禍によって一緒に演奏をする機会や場をつくることが難しくなってしまいました。そこで、市の認知症地域支援推進員から「2人の演奏会をリモートでやってみよう」というアイデアが生まれました。
実際にやってみると、その2人の演奏映像(曲目は「ふるさと」)をみた地元の介護関係者・行政職員などからも「わたしも参加したい!」との声が続々とあがり、それぞれが自分の得意な楽器で「ふるさと」を演奏した動画をスマートフォンで撮影し、2人の映像にどんどん加えていきました。
さらに、参加者はJDWGのメンバーにも広がり、全国から「ふるさと」の演奏や歌声が寄せられました。
新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐための取組はこれからも続いていくことでしょう。認知症の本人たちの活動も、そのための新しいスタイルにチャレンジしていくことになるでしょう。
JDWGでは、そんな中でも認知症の本人を起点とした「希望のリレー」をつないでいきたいと思います。
地元の花「スターチス」で「希望のリレー」を応援!
御坊市では、地元の高齢者施設を利用するみなさんが、地元農産品で出荷量日本一(令和元年)の「スターチス」の花を使った手作りの花文字パネルで応援してくれました (^^)/
「希望のリレー」は、となりのまちにもつながります!
御坊市のとなりにある美浜町。住民のみなさんは日常的に互いの地域を行ったり来たりしながら暮らしています。
そこで、互いのまちに住む認知症の本人たちが交流することを目的とした取組が行われています。特別なことではなく、一方が行う取組に、もう一方のまちの本人たちに互いに声かけをするというものです。両方の地域包括支援センター等が互いの事業情報等を共有することで、認知症の本人たち同士の交流の機会を作り出すことができます。