私たち認知症の本人同士がつながり続け、共に生きる希望をうみだしていこう
今もなお続くコロナ禍による様々な影響の中、私たちの暮らしと命を守るために力を尽くしてくださっている全ての皆さんに、あらためて心からの感謝と敬意を伝えさせていただきます。
私たち認知症の本人も、近隣の仲間や親しい人たちにさえ、思うように会うことができない日々が続いています。以前は平気だった暮らしの中のちょっとしたことにも、不安やストレスを感じることもあります。
昨年から、私たち認知症の本人もインターネットの活用にチャレンジしています。会って話をすることができなくても、画面越しにお互いの表情を見ながら話をすることに、ずいぶん慣れてきました。
これまで以上に遠方の仲間と頻繁に話をすることができたり、いろいろな地域の本人たちと、ネット上で新たに出会い知り合うこともできました。もっとたくさんの本人同士が出会い、コミュニケーションの機会を広げられるように、インターネット環境や機器を利用できる人が増えて欲しいと思います。
私は、認知症本人大使「希望大使」の一人でもあります。私を含めて、現在5人の仲間が各地にいます。そして今、全国の自治体では、その地域々でさまざまな名称の「認知症本人大使(希望大使)」が生まれ、その交流も始まろうとしています。
しかし、認知症になったことで、不安や恐れを抱いて暮らしている方は、今も少なくありません。
それでも、諦めずに前を向いて歩み続ける、いろいろなことにチャレンジし続ける姿を、全国各地の大使たちが現すことで、たくさんの認知症とともに暮らす人々を勇気づけ、日々の暮らしの中で本人なりの希望を見出していくことを願っています。
私たちJDWGでは、全国各地の世界アルツハイマーデー・アルツハイマー月間の取り組みと協働し、「認知症とともに生きる希望宣言」を多くの人に伝える「希望のリレー活動」を行っています。みなさんがお住まいの地域で、認知症の本人と出会い語らうことで、ともに生きること、ともに暮らすまちを創っていきましょう。
2021年9月
一般社団法人 日本認知症本人ワーキンググループ(JDWG)
代表理事 藤田 和子