認知症基本法について考える院内集会(2月6日)

「認知症基本法」に関する要望書を手交

JDWGでは、2月6日、認知症関係当事者・支援者連絡会議(公益社団法人 認知症の人と家族の会、全国若年認知症家族会・支援者連絡協議会、男性介護者と支援者の全国ネットワーク、レビー小体型認知症サポートネットワーク)と共同で、「認知症基本法について考える院内集会」を衆議院第1議員会館において開催し、与野党の国会議員の方々に、「認知症基本法に関する要望」を手渡しました。

集会では、「認知症の人と家族の会」鈴木森夫代表理事とともに、JDWG藤田和子代表理事が主催者としてあいさつに立ち、当事者である本人やその家族などの意見を十分に聞き、法律に反映していただきたいと訴え、各関係団体・学会等からの来賓者の方々からも賛同の声が寄せられました。


藤田代表のあいさつ(全文)

みなさん、こんにちは。
私は、一般社団法人 日本認知症本人ワーキンググループ代表理事の藤田和子です。
私は、45歳の時にアルツハイマー病の診断を受けた、認知症の本人です。

診断を受けてから、今年で13年が経ち、この間、本人としてのさまざまな経験をしてきました。
私はアルツハイマー病とわかってから、隠すことなく回りの人たちに伝えてきました。親しくしていた人たちの中にも、病気になった私と、どうつきあっていけばいいのか戸惑う人や、去っていった人もいました。自分自身、どうすればいいのかわからないことや、くやしいと思うことも少なからずありました。

そんな中で、私は1人の人として生きていくことの日々の思いや願い、これからの希望を、認知症の本人として、自らが発信していくことを始めました。
当時、社会には、認知症になると、なにもわからなくなる、なにもできなくなるといった認知症の人への先入観であふれていました。
おそらく今でもそう思っている人がたくさんいると思います。けれど、私自身が発信活動をしていくことで、地元での新しい出会いや、古い友人との“出会い直し”があり、そして、今日この会場にも来てくれていますが、全国の多くの認知症の本人や、本人とともに生きる仲間たちとつながることができました。

 本日、お手元にお配りしていますが、そうした仲間たちとともに、2018年10月に、「認知症とともに生きる希望宣言」を表明しました。
この宣言のひとつ一つは、私たち認知症の本人が切り拓いてきた実体験でもあり、これからを生きていくための希望でもあります。
 今、この国には、認知症とともに生きている人が、700万人近くいます。
ひとり1人の暮らしぶりについて一括りにはできませんが、認知症の本人も、その家族も、みなさんと同じように、希望を持って前をむいて生きていきたいと願っていると、私は思います。

 認知症の人は、みなさんと同じように今とこれからを生きていく一人の国民です。
施策や事業の対象者としてみるのではなく、認知症の本人の声に耳を澄まし、よりよい社会、よりよい地域をともにつくる仲間であると考えてほしいです。
残念ながら現状は、希望を持てずに苦労している本人や家族、支援者が多数おり、認知症とともによりよく生きていけるよう、社会全体の大きな変革が求められています。

 今後、認知症基本法が作られるなら、この先10年後、20年後の日本が、どこに住んでいても認知症とともに希望を持って暮らせることを確かに実現するための法律が不可欠です。
どうか、議員のみなさま、今後、私たち当事者の声を聴きながら、与野党で議論をつくし、よりよい未来を創造する基本法を生み出してくださることを、心から願っております。
今日がその新たなスタートになりますように。
本日は、ご参加、本当にありがとうございます


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