地域版希望大使の普及推進と活動支援に関する調査研究事業
当法人では、令和4年度老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業分)として、「 地域版希望大使の普及推進と活動支援に関する調査研究事業 」を実施しました。(令和5年3月)
<事業報告書>
ダウンロードはこちらから(PDFファイル:約4MB/A4判・102ページ)
<事業概要(サマリー)>
1.事業目的
「認知症施策推進大綱」のもと、地域において認知症の人本人からの発信支援を行う「地域版認知症希望大使」が本事業開始時(令和4年6月)10都県で任命されたが、希望大使の活動・活躍の好事例等は整理されておらず、本人発信のあり方、任命後の取組みを模索している自治体は多い。任命者(自治体)同士の情報共有を含めた希望大使同士のネットワーク化により、実際の活動に資する情報の共有や取組みのブラッシュアップを図ることで、希望大使任命の趣旨及び各地での活動(取組み)を全国に普及するとともに、希望大使の活動の更なる活性化・質の向上を図ることを目的とした。
2.事業内容
(1)検討委員会の設置・開催:全3回、オンライン開催併用
(2)希望大使任命・活動状況実態調査の実施
(3)地域版希望大使交流会の開催
(4)「地域版希望大使の任命と活躍の手引き/地域での活動事例集」の作成
(5)「希望大使 活動推進サイト」(常設型WEBコンテンツ)の設置
3.事業結果
■希望大使任命・活動状況実態調査
(1)都道府県調査
①希望大使設置都府県:14/14(100%)、大使活動状況・活動の効果・課題等を収集・整理
②希望大使未設置道府県:33/33(100%)、設置に関する方針・計画・課題等を収集・整理
(2)希望大使設置都府県管内市町村等調査(都道府県調査①を踏まえて):372/520(71.5%)
市町村事業等への希望大使の参加・協働、自地域での本人発信状況や課題等を収集・整理
(3)希望大使本人調査
①ヒアリング調査(動画収録等):8都府県13名、市任命大使1名、国大使5名
②活動等調査(事例収集):14都府県38名(調査実施時点の希望大使14都府県52名中)
(4)県担当者意見交換会(動画収録等):3県職員5名参加
既に大使を任命している県担当職員及び任命準備を進める県担当職員の意見交換会を実施。大使活動現場の視察後に実施し、県担当者が直面する課題・解決策を共有・整理
■地域版希望大使交流会
目的:希望大使同士の交流促進及び任命自治体間の情報共有とネットワークづくり
日時:令和4年10月3日(木)、開催方法:オンライン会議(zoom)
参加者:任命13都県・任命予定1府の希望大使30名(国大使含む)・都府県職員18名
当日はYoutubeライブ配信を実施し、全都道府県から管内市町村へ周知をはかった。また、交流会前後のプロセスを含め、交流やネットワークのあり方・方法等を整理し、「手引き・事例集」や「希望大使活動推進サイト」に活かした。
■地域版希望大使の任命と活躍の今後に向けて
目的:希望大使同士の交流促進及び任命自治体間の情報共有とネットワークづくり
本事業の取組みを経て、地域版希望大使の任命と活躍に向けたポイント5点を整理した。
①地域版希望大使を都道府県として設置する目的の明確化・浸透、②地域版希望大使の人物像及び役割、要件の明確化、③「地域版希望大使の任命(委嘱)」のあり方、④「地域版希望大使」の具体的な役割の設定について、⑤委嘱後の活動で大切なこと
今後に向けて、希望大使同士の更なる交流を通じた大使活動の拡充、自治体職員同士の更なる交流促進による任命・運営の向上、が必要なことが明らかとなった。
(地域版希望大使任命状況:令和5年3月末、16都府県55名)